糖尿病のインスリン治療中に気になる副作用について

インスリン療法の開始時に注射直後から数時間以内に、注射した部位がかゆくなったり、赤くなったり、熱感などの局所反応が現れて、その後自然消滅するのが「インスリンアレルギー」です。

このアレルギー反応には、インスリン抗体によるものと、インスリン製剤の添加物に対する反応である場合があるとされています。局所反応の大半はインスリン療法を開始してから数週間で現れなくなりますが、持続する場合には抗ヒスタミン薬、副腎皮質ホルモン製剤の投与を行ったり、他のインスリン製剤への切り替えが検討されます。

インスリン療法を開始してから1週間くらいで出現し、数ヶ月で消滅する浮腫が「インスリン浮腫」です。高血糖状態が長期にわたっている患者さんやケトアシドーシスの回復期によく見られる副作用で、浮腫が全身に及ぶと体重増加になります。浮腫が起きる原因は、インスリンにより腎臓の近位尿細管でのナトリウム再吸収が亢進して、体液が貯留するためです。

インスリン注射を同一部位に続けることで生じる局所反応が「インスリンリポジストロフィー」です。この局所反応には、脂肪が萎縮して、注射部位がへこむ「脂肪萎縮」と、皮下脂肪嘘式が過形成されて膨らむ「脂肪肥大」があります。外見上の問題だけではなく、インスリンの吸収障害が起きて血糖値が不安定になるのが大きな問題となります。

インスリン投与を長年続けている患者さんは、打ちやすくて痛みが少ない場所があれば、同一部位に注射を続ける傾向にあるため、インスリンリポジストロフィーの原因になります。特に、体の柔軟性が低下したり、視力低下や麻痺などで注射部位が限定されてしまう人は注意が必要です。


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